2014年12月10日水曜日

食品工場雑廃槽防食工事


コンクリートは腐食します。
硫化水素を起因とする硫酸による腐食は、そのスピードに驚きます。

以前紹介した食品工場の雑廃槽です。
建設当時はこの腐食に対する防御策をとっていませんでした。


下の画像の金物はもともとコンクリート表面に密着してついていました。

つまりこの隙間の分だけコンクリートがなくなってしまったということです。

その期間わずか10年足らずです。

今回はこの雑廃槽の断面修復及び腐食から守る工事(防食工事)を紹介します。



高圧洗浄完了状況

高圧洗浄により脆弱な部分を徹底的に剥がし落とします。



耐硫酸性モルタルという特殊なモルタルを用いて断面修復をしていきます。

普通のモルタルの5倍位の値段がします!

このモルタルはその名の通り、これ以降に行う防食工事が破綻しても、
すぐにコンクリート本体が傷まないよう、硫酸に対する耐性を持ったモルタルです。
 断面修復完了。
そして防食工事を行います。

防食工事は、腐食環境を考慮し、A種からD種までランクがあります。

極めて腐食環境が悪いので最高ランクのD種での防食工事を行います。
A~Dの違いは簡単にいうと塗膜厚さの違いです。
防食工事は、専用の材料を用い、塗膜の厚さで腐食の進行を遅らせるのが狙いです。
また、今回は材料メーカーと相談し、マニュアルにない特別なやり方で
塗膜の厚さをさらに増す工法を行いました。
 施工完了です。


これで飛躍的にこのコンクリート構造物の寿命が伸びます。

最後に

法律で決まっているとはいえ、このような直接お金を生むわけでもない設備投資に
しっかりお金をかけ、環境保全に取り組める食品会社さんを賞賛し、

またその一役を担わせていただいたことを感謝します。

ちなみにその会社は練りワサビで有名な「万○食品」さんですw
練りワサビだけじゃなくドレッシングとかも作ってるんですよー !

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